川越駅西口から歩いてほど近く。
静かな通りに、ガラス越しの音楽と笑顔がこぼれるダンススタジオがあります。
その名は 「スタジオJJ」。
社交ダンスを中心に、ベリーダンス、ヨガ、ヒップホップなど、多彩なレッスンが行われている地域密着型のダンススタジオです。
スタジオを運営するのは、オーナーの 児嶋英子(こじま・ひでこ)さん。
ダンススタジオを始めて 23年。
坂戸での開業、川越東口への移転を経て、現在の西口へと拠点を移しながら、ずっと「踊る喜び」を地域に届け続けてきました。
児嶋さんは、開業当時31〜32歳。
「今しかできないことをやりたい」と、なけなしの貯金を全てつぎ込んでスタジオを立ち上げました。
「一歩踏み出す勇気は必要だったけれど、やっぱりダンスが好きで。
“今動かなければ後悔する”と思ったんです。」
その思いが、23年間絶えず灯されてきたスタジオJJの原点です。
Contents
■ 何歳からでも始められる──“ダンスは人生のパートナー”
児嶋さんは、ダンスの魅力をこう語ります。
「社交ダンスは、何歳からでも始められるんです。
そして、何歳になっても続けられます。」
実際、先日の発表会には 90歳の生徒さんが参加し、元気にステップを踏んでいたと言います。
ダンスは筋力づくりだけでなく、異性と向き合う緊張感、音楽に合わせる集中力など、
身体と頭の両方をフルに使う“生涯スポーツ”。
姿勢が良くなり、若々しくなる人も多く、
「介護予防」「健康づくり」にも大きな効果があると実感しているそうです。
「踊っている人は、自然と姿勢も綺麗になります。
いくつになっても前向きで、みなさん本当にキラキラしているんですよ。」
■ しかし、最大の課題は“若い世代の減少”
23年前には 300名ほどいた生徒さんも、現在は 100名ほどにまで減少したといいます。
3分の1になってしまった現状には、不安もあると児嶋さんは率直に語ります。
「若い人が入ってきません。
このままでは社交ダンスの世界は細くなってしまう。
でも、本当は若い世代にこそ魅力がある世界なんです。」
20~30代のうちに始めると上達が早く、競技会にも挑戦でき、
“競技ダンス”という新しいコミュニティの輪が広がる楽しさがあります。
「上手くなる喜び、仲間ができる楽しさ。
若い人たちにもこの世界を知ってほしいんです。」
■ ベリーダンス・ヒップホップ・キッズレッスンへ拡大
地域の“総合ダンススタジオ”として
現在スタジオJJには、社交ダンスだけでなく、
ベリーダンス、ヨガ、ヒップホップの講師も所属し、レッスンの幅が広がっています。
特に人気なのが 女性限定のベリーダンス(毎週水曜19:30〜)。
40〜50代の女性を中心に、衣装を身にまといながら楽しむ姿が印象的です。
さらに、来年1月には 大手ダンススクール「エイベックス・ダンスマスター」出身の講師による
キッズヒップホップが移転してくる予定。
「初心者・中級者・上級者とクラスが分かれているので、
初めての子でも安心です。
週末(土日)に開講しています。」
「子どもの習い事としてダンスを…」と考える親御さんが増える中、
スタジオJJは地域の子どもたちの“入口”にもなっています。
■ 誰でも気軽に来てほしい
金曜14〜18時は“自由見学デー”
児嶋さんが大切にしているのは「まずは来てもらうこと」。
そのため、毎週金曜日の14:00〜18:00は 誰でも自由に見学・体験できる“オープン日” として開放。
「勇気が出ない方も、まずは“こんにちは”と言って入ってきてほしい。
そこからゆっくり話しましょう。」
予算のこと、時間のこと、初心者で不安なこと──
すべての人のペースに合わせて、一緒に決めていくスタイルです。
■ 地域活動の拠点としても使ってほしい
スタジオJJは、ダンスだけの場所ではありません。
夏には読み聞かせイベントを開催したり、
地域ボランティアが子ども向けの催しを行ったりと、
地域コミュニティスペースとしても活用されています。
「もしこの場所を使って何か発信したい人がいたら、いつでも応援します。
遠慮なく声をかけてください。」
地域の誰もが集まり、楽しみ、学べる場所。
そんな空間を目指しています。
■ 最後に──
「一歩踏み出せば、人生はもっと楽しくなる」
児嶋さんは、読者・視聴者に向けてこう語って締めくくりました。
「若い人も、シニアの方も、何か趣味を持ちたいと思っている方も。
ダンスは健康にも良いし、姿勢も整うし、ボケ防止にもなります。
私はいつでもここで待っています。
ぜひ一歩、踏み出してみてください。」
スタジオJJは、
年齢も性別も経験も関係なく、
誰もが自分らしく輝ける、まちの“あたたかい居場所”。
これからも川越で、踊りのある暮らしをそっと支え続けてくれることでしょう。



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